ゼロ号患者の痕跡 Sur les traces du patient zéro

Published on by Kayoko

ゼロ号患者の痕跡 Sur les traces du patient zéro

10日付のル・モンド紙に掲載された「調査:フランスにおける《ゼロ号患者》の痕跡」と題した記事はまるで推理小説のようです。思わず引き込まれ、最後まで一気に読んでしまいました。これはフランスで最初に起こった集団感染に焦点を当てています。未だ謎となっているゼロ号患者調査には国防省の協力が不可避ですが、それを求めて、空軍基地のあるクレイユ市長が議会での調査委員会設置を要求しました。これからその要約を数回に分けて載せたいと思います。

 

【第1回】

1月31日、フランス空軍所有のエアバス340型機が武漢空港を飛び立った。その目的は、千百万の人口を抱える武漢に暮らすフランス人を帰国させる為である。それに先立つ1ヶ月前に中国当局が新型コロナウイルスの警戒を呼びかけ、世界保健機関は「ウイルスに対する国際的な緊急事態」であると発表したところだった。

そこで、帰国第一便は軍が担うことになり、機内には193人の民間人が乗っていた。武漢で働いていたフランス人の他に、外務省の緊急センターの職員も数人いた。そして全身を防護服で身を包んだ18人の乗組員の内訳は、14人の特殊部隊隊員、3人の軍医、機関士ひとりであった。彼らは全員、パリ北部オワーズ県にあるクレイユ基地の所属だった。このウルトラ監視体制の空軍基地には軍諜報機関DRMも入っている。近くにはサンリスやコンピエーニュのような中世からの町があり、パリ国際空港ロワッシーも近い。約82万5000人の住むオワーズ県に、知らぬうちにウイルスを撒き散らしてしまった人、すなわち「ゼロ号患者」インデックス・ケースが果たしてこの機内にいたのだろうか。

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