農薬と政府不信 Scandale du chlordécone

Published on by Kayoko

© Joël Le Gall, Archive Ouest-France

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クロルデコン(chlordécone)に10年以上晒され、前立腺癌を発症した農業従事者が労災と認定されることが昨日告知されました。クロルデコンは1951年にアメリカで初めて合成され、1958年から製造された農薬です。1963年からネズミ実験で毒性が指摘されるようになり、人体への毒性及び土壌・水質汚染の深刻さが明らかになったことから、アメリカでは1976年に使用が禁止されました。ところがフランス海外県のグアドゥループやマルティニークではこの農薬使用が1972年から1993年までバナナ農園で許可されていました。20年以上経った今も全住民の90%が農薬に汚染されていると推定されます。

フランスでは新型コロナ・ワクチン接種が秋に入って足踏み状態。変異株の驚異的な感染力の前に改めてワクチン接種の重要さが叫ばれていますが、全人口6700万人のうち、全く接種を受けていない大人が560万人います。入院患者の多くが接種を受けていないというデータから、政府は感染抑制対策を接種普及にかけています。その一例が現在の衛生パス(pass sanitaire)から接種パス(pass vaccinal)への移行です。早ければ1月中旬にも批准される見込みで、現在可能な抗原検査陰性証明だけでは、レストランのみならず、文化施設に行くこともできなくなります。しかし、接種拒否の人々には様々な理由があり、そう簡単に行かないのがフランスです。先に挙げた海外県で遅々として接種が進まないのは、ひとつに「農薬を垂れ流しにした政府に対する深い不信感」が根底にあるのは否めません。また、通常、何年もかかるワクチン開発が、今回に限り、超特急で実現し、承認されたことに懐疑的な人々が多く、そこにビッグ・ファルマの陰謀を見る人もいます。政府が医療従事者の接種義務を発表した際には「人権無視」を問題視し、選択の自由を求めてアンチ・パス運動が起こったのもフランスなのです。

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