ベストセラー本「墓掘り人」 Les Fossoyeurs

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Les fossoyeurs de Victor Castanet (Ed.Fayard)

Les fossoyeurs de Victor Castanet (Ed.Fayard)

ル・モンド紙が1月26日発売のノンフィクション「Les Fossoyeurs 墓掘り人」に関する記事を載せたのは24日の事。以来、テレビや新聞はこの本が取り上げた「老人ホーム」の件で持ちきりです。コロナ禍や大統領選挙も霞むほどの社会現象になっています。筆者である若いジャーナリストは3年間の緻密な調査を通じて、250人以上の証言とそれを裏付ける証拠を集め、出版社の法律家やベテラン・ジャーナリストの編集協力を得て、出版に至りました。パリ郊外高級住宅地ニュイ・シュル・セーヌにある一見すると高級ホテルと見紛うような老人ホームの実情が書かれていて、入居者の惨めな生活が赤裸々に語られています。これまでも老人ホームの人手不足などによる不十分な介護が指摘されていましたが、具体的で虐待とも言える様子を描いたこの本は多くの人に衝撃を与えました。

当初、18000冊印刷したと出版社は言っていますが、これはミシェル・ウルベックのようなベストセラー作家の第1版を出す時の22000に近い非常に多い部数です。にも関わらず、24日の時点でアマゾンやフナックのような大販売店の予約は完売、在庫切れの為、一時本が店頭から消えました。出版元は先週初めに第7版まで印刷したと言っており、1月28日〜2月4日の週の本売上ではこの本がトップになりました。

この本が出た事で、多くの入居者の家族が訴訟の準備を始めています。2ヶ月後には大統領選挙がある為、政府もこの問題を先延ばしにすることは出来ないかもしれません。某老人ホームの問題というよりは老齢化していく現社会に対し、我々がどう対応すべきかを真剣に考える時が来ています。

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